駐車場警備員の詩(うた)

警備に関する雑詠です。たまに普通の記事を書きます。

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正直な警備員はすぐ言ふ「お金落とした人いませんか」

土日祝のパート駐車場警備員です。
久しぶりに長老のNT警備員と仕事をする機会がありました。
相変わらず大きな声で「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」とスーパーのお客様に挨拶しています。


NT警備員のことは「長老の隊長の声若し御歳を問えば七十五(11月6日)」で紹介しました。あれから大腸ポリープの切除のために2週間入院されたそうです。
病み上がりでもお元気なので安心しました。


私が自販機の前でお札のような物が落ちているのを見つけました。手にしますと折りたたんだ千円札でした。
「NTさんお金を拾ったのでサービスカウンターに届けてきます」
「おう、いくらだった?」
「4つに折りたたまれた千円札1枚です」
するとあろうことかNT長老は特別に大きな声で広報しました。
「自販機前で4つに折りたたんだ千円札1枚を拾いました。落とした人いませんか」
びっくりしました。
「だめですよ。そんなことを言ったら俺が落としたと何人も手を上げますよ」


ある公営競技でうかつな警備員が「一万円拾いました」と声にしたそうです。
途端に「俺のだ」と手を出した人が10人以上もいました。
もめましたが最後まで諦めなかった3人が残って警察を呼んだそうです。
結局お金に名前が書かれていませんので落とし主は特定されませんでした。
そんなエピソードをNT長老はご存じなかったようです。


せめて「お金を拾いました。落とした人はいませんか」なら余計なお世話にしてもまだましです。
具体的な状況まで広報しますと手を上げた人の真偽判別ができなくなります。
店舗のドアからサービスカウンターに行きかけた時に、
「私が落としました。自販機の前で4つに折りたたんだ千円札」
と言いながら声を聞きつけた若い女性が駆け寄ってきました。
落とし主は第一感でこの女性ではありません。たぶん駐車場に向かった年配の女性です。


「あなたではないと思います」と言ったところで立証もできません。本当に落としたのかもしれません。
本当は直接渡してはいけないのですが手渡しました。
財布なら一緒にサービスカウンターに行きます。


正直な警備員はすぐ言ふようだ「お金落とした人いませんか」


(Photo AC 無料写真素材から千円札)

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