駐車場警備員の詩(うた)

警備に関する雑詠です。たまに普通の記事を書きます。

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秋風や警備士の知らない道ありて

サッカー警備で外周警備をしている時でした。
横断歩道に立っていた私の側にタクシーが停まりました。
サッカースタジアムへ向かうサポーターが多い時間帯でした。
助手席の窓が開き、運転手が身を乗り出して、
「ナイトクルージングの乗り場はどこか知らない?」
と聞きます。
この辺りにあるのでしょう。警備員は近くの地理を知っていると思っています。
もちろん何度も来ています。ざっくりと周辺地理は頭に入っています。
ですが私はここに派遣された40数名の警備員の中で最も遠くから来ているよそ者です。
クルージングの船着き場までは知りません。無線をして聞こうかと思いました。
先輩警備員のFSさんが向こうから、
「タクシー、そこに停めさせるな。歩行者の邪魔になっとる」
と叫びだしました。
「サッカー警備に来ています。すみませんが船乗り場まではわかりません」
と断りました。
近所に住む数十人の警備員ならご存じだったと思います。
私は遠くから来ています。
スマホで調べますとタクシーは行き過ぎていました。
Uターンすればすぐそこでした。



秋風や警備士の知らない道ありて

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