(元)敬老警備員の詩

警備員俳句や警備員短歌をタイトルにした警備に関する雑詠です。

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霊能警備員は臨死体験者

天のほうから心地よい音楽が聞こえた。
上を見上げるときれいな花畑が見えた。
飛んで行こうと思ったところに小学生の頃に死んだ黒猫のクロが現れた。
怒っているかのように目がカッと開いている。クロがしゃべった。
「早く自分の体に戻りなさい」
あたりを見渡した。
「・・・え、誰? ・・・どこにいるの? ・・・お前かクロ?」
「早く戻りなさい。行くな、まだ早い」
『・・・クロがどうして?・・・』
SYは「ゲボッ・・・ゲボッ」と水を吐き出した。
『・・・うぅ・・・苦しい・・・ッ・・・」
そして四つんばいになって激しくむせた。


「やったー! 生き返ったぞ」
歓声と拍手が起こった。
「心配していたんだ。息をしていなかったんだ。よかった、よかった」
座り直して大きく呼吸したSYに友人達が嬉し泣きの顔を寄せてきて、手を握ったり肩を叩いたりした。
プールの係員が話かけた。
「心肺機能が停止していました。もうすぐ救急車が到着します」
蘇生したばかりのSYは、自分がいまどこにいるのかを見極めるまでしばらく周囲を眺めた。
彼が横たわっていたのはプールサイドである。ようやく状況がわかってきた。
「心肺・・・停止・・・。それって、息してない、心臓動いてないってことだよね。俺死んでたの?」
「仮死状態ですね」
「猫は? 黒ねこはいませんか・・・」
急に眠たくなってきた。重くかぶさってくる瞼をなんとか持ちこたえようとしたがいつしか眠りこんだ。



「ということで臨死体験し幽体離脱して以来私には霊が見えるようになりました。信じますか?」
と言ってSYが笑った。
「もちろん信じます。あまり見えると困ることが多いでしょうね。あはは」
と私が笑ったが隣で聞いていたOSさんは半信半疑で黙っていました。