駐車場警備員の詩(うた)

警備に関する雑詠です。たまに普通の記事を書きます。

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落とし物その後に沙汰のなかりけり

駐車場警備をしています。
時には昼間に駐車場の巡回を命じられることもあります。
警備員の巡回は施設防犯のため夜間に行うことが基本です。足音を立てずに懐中電灯はなるべく点灯しないと聞きます。


昼間の駐車場巡回は、駐車場の犯罪抑止効果が狙いです。
警備員が駐車場を巡回することにより車上荒らしやタイヤパンクなどのいたずらを防止します。


お客様の目を引くように駐車場の隅までくまなく歩きます。
財布を拾ったことがあります。
ネコババはしません。監視カメラや誰かが見てるかもしれません。すぐに無線で隊長に報告します。
「2階駐車場から隊長どうぞ」。自分がいる場所を言います。
「はい、どうぞ」
「拾得物Aがあります。どうぞ」。Aとは現金や鍵など貴重品の隠語です。隠語はDまであります。機会があれば紹介します。そして落とし物とは言わず拾得物と言います。
「了解。すぐに行きます」
財布などは警備員2人で内容を確認します。黒い折り畳みの財布で3万円以上入っていました。隊長が店内のサービスセンターに届けました。


1時間以上たってその場所に戻って来ました。若い男性が車の下や周囲を気ぜわしく見ていました。ぴんときました。
「何をお探しですか?」
「はい、財布を探しています。この辺りで落としたと思います」
どんな財布か尋ねると黒い折り畳みと言います。
「もしかして親切な人がお店に届けているかもしれません。レジの横にあるサービスセンターにお尋ねになってはいかがでしょうか」


警備員が「それは私が見つけた」と言ってはいけません。違う財布かもしれないし後からお金が足らないと言われるとトラブルになります。
男性は走って行かれました。その後何も言われませんでした。きっと戻ったことでしょう。


落とし物その後に沙汰のなかりけり
(作者注:この句には季語がない、いわゆる無季俳句です。推敲中です)
落とし物届けし警備士夏の昼
(作者注:強引に夏の警備員俳句にしましたが味わいがありません)
落とし物この辺りでという人に知らぬ顔して教える警備士
(作者注:俳句の推敲は難しくとりあえず短歌にしてみました)


(PIXTA画像の無料サイトから)

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