駐車場警備員の詩(うた)

警備に関する雑詠です。たまに普通の記事を書きます。

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志賀直哉『和解』は若いと分からない

「和解」というタイトルがついているがどこが「和解」なのか読んだだけではわからない。
父親は主人公のことを赤ん坊の時から知っている。
背丈だけ一人前になって親父に反抗するものとしても心のいちばん奥のところで子どもを許している。
主人公は赤ん坊が生まれてから2カ月で死んでしまう現場を見てそのことに気がついた。
「赤ん坊っていうのは本当に無力なものだ」と。
その赤ん坊が死んでしまい、主人公の胸の中に大きな悲しみができた。
そのとき初めて自分の父親の胸の痛みがわかった。
息子が「赤ん坊は死にました」と、父親は「そうか」と言っただけだがそこで父と子はわかりあって和解が成立した。


ところが志賀直哉という作家は、
「父親になって子を思う気持ちがわかりました。僕が悪かった、許して下さい」
などそういうことを一切書かない。
何も説明をしないがわかる人にはわかるように書いている。
人の親になると心境が変わるし人生観が深くなる。
その時初めて志賀直哉がわかってくる。
(まだ続く)

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