葬儀の事前見積 神無月
先月下旬の当直の日でした。
19時頃に夕食をいただきます。
そろそろ弁当を食べようかという時に、玄関センサーが作動してチャイムが鳴りました。
事務所から出てみますと、大柄な男性が杖を突いて入館してきました。
施錠は22時にしますのでそれまでは誰でも自由に入ることができます。
声をかけました。
「どうされました?」
何やら息苦しいようです。
「はあ、はあ」と言っています。
そして、
「僕が死んだら葬儀代はいくらになりますか?」
と言います。
事前見積の案件と思いました。
本部会館の仕事ですが大筋のお話を聞かないといけません。
ロビーの椅子に座っていただきました。
事務所に戻りメモ用紙の用意とマスクを着けて再び向き合いました。
(続く)