駐車場警備員の詩(うた)

警備に関する雑詠です。たまに普通の記事を書きます。

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店舗内通行禁止の訳わかる

駐車場警備員は不自由です。
ショッピングモールの店内通行やエレベータを使うことは禁止されていました。
屋上駐車場の警備にはスロープになった車道を歩いて行ってました。
屋上には、お客様用のエレベータを使えば楽に到達できます。


ずいぶん慣れた頃に隊長に尋ねました。
「なぜ店内通行やエレベータの使用を禁止するのですか?」
「それは、お客様から尋ねられた時にお答えできないと困るからです」
店内にいる施設警備員なら、分からないことは無線で本部に聞くことができます。
駐車場警備の隊長でも店内のことがわかりません。


『なーんだ、そんなことか』と納得しました。
「それではお客様から聞かれてもお答えできればいいのですね?」
そのぐらいは簡単です。


ショッピングモールの配置は全て頭の中に入っていました。
地下から屋上まで全部です。
マック、うどん店、ペットショップ、ATM、郵便ポスト、バス停、おもちゃ、合鍵、宝くじ、自転車などなど。


それからは堂々と店内を歩き、エレベータもエスカレータも使いました。
確かにお客様から聞かれことも多かったです。全て回答しました。
「トイレはどこにある?」
「ここから一番近いのは・・・」


駐車場警備員は私の前も後も何百人も配置に着いたことでしょう。
ですが自由に店内を歩いたのは私だけだったと思います。

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