部活する決め手は費用の四月かな
私と級友の中山君はジャンケンでたこ焼き1個を取りあっていました。
とても楽しい遊びでした。
とはいえ真剣勝負です。ジャンケン1回では悔いが残るので3番勝負でした。
先に負けますと2連勝しないといけません。ドキドキします。
勝ったときの喜びは忘れがたく、その1個は格別に美味しかったのです。
小学高学年になりますとお互いの小遣いも10円に昇給しました。
10円で7個のたこ焼きを買えるようになりました。
中学生になっても同じクラスでした。
中学でも部活は出来ないと思っていました。
道具代やユニフォーム代などで母親に負担を掛けたくありません。
本当は野球がしたかったのです。野球道具は高いのです。
中山君は発想が違っていました。
「おい、バスケなら裸足でもできるだろう。お金かからないよ」
と誘われました。
私も中山君も背が高い方でした。
早熟だったようです。勉強の成績もトップクラスでした。
小中学校では毎年クラス委員をしていました。
(続く)