人が来た無言のままでじっと見る(1)
古くからの友人から電話がありました。
「おい、聞いてくれよ。実は・・・」
3日前の夕方です。
玄関の引き戸が開く音がして、誰だろうと部屋から出ました。
薄暗い玄関に誰かいます。玄関灯をつけました。
眼鏡で帽子をかぶった小柄な男がいました。
左手にカップ酒のようなものを持っています。
何か用があるのなら呼び鈴を押すか声を掛けるはずです。
それを省略していきなり玄関に入ってくるとは唖然とします。
ここは田舎ではありません。
「・・・どちら様ですか?」
じっと顔をみています。しばらくして、
「表札が汚れている。おれは、近所のはまの○×$♭▲」
意味がわかりません。
見覚えなのないオヤジでした。
(続く)