駐車場警備員の詩(うた)

警備に関する雑詠です。たまに普通の記事を書きます。

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左手の上げ方がいいねと君が言ったから七月六日は警備記念日

今日は7月6日です。
毎年この日は俵万智さんの有名な短歌を思い出します。
『この味がいいね』と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
という短歌です。
サラダ記念日とは、彼氏のお泊まり記念日だったというのが定番の解釈のようです。
俵さんの歌は平明でやさしい言葉で誰にでもあるような情緒や感情をうたっています。


前回の続きですがドアが開いた車の側で担当警備員が来られるのを待っていました。
通常はすぐに来ていただけるのですがその日に限ってはなかなか来ません。
交代の時間になり無線で休憩する人に連絡をしました。

常駐警備より先に車のオーナーが戻ってきました。案の定、高齢ご夫婦でした。
「オーナーさんですか。ドアが開いていましたので心配していました」
「誰かが開けたんだな」
意外な発言でした。自分は閉めたと言いたいようです。
「車内をご覧になって、無くなった物はありませんか」
「無いね」と言って乗り込みドアを閉めました。
私はその場を離れ隊長に連絡しました。
「A駐車場から隊長」。「どうぞ」
「ドアが開いたままの車のオーナーが来られました」。「了解」


何かの専門家というのはみな自尊心が強いと思います。
その自意識を隠したいと思って隠せない人と、隠さずに自己顕示するタイプの人がいるようです。
石川啄木は自分が天才的な詩人と分かっていました。
もしかしたら俵万智さんは啄木より自分の方が天才と思っているのかもしれません。
だがそんなことは一切感じられません。
俵万智さんは自分を特別の人間と思っていないところが才能で天才的です。
平凡な私はせいぜい天才を真似てお客様の言動に自意識を抑えうたいます。
新人の人に手信号のやり方を説明しています。
「左方向に案内する時は、左手を素早く上げて下さい。ゆっくり上げたり、肘や手首を曲げないで下さい。真っすぐ水平に伸ばして下さい」



左手の上げ方がいいねと君が言ったから七月六日は警備記念日

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