(元)敬老警備員の詩

警備員俳句や警備員短歌をタイトルにした警備に関する雑詠です。

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警備中小銭の音する競艇場

舟券の発売機前で小銭を落とすお客さまが多いです。
1階と地階の無料席では床がタイル張りです。
小銭が落ちたら「チャリーン」という音がします。


落とした本人も周囲のお客様も後ろに控えている警備員も高齢のために気が付きません。
最初は信じられませんでしたが高い音が聞こえなくなるようです。
天井のスピーカーから放送が流れて聞きにくいこともあります。
それでも私は気が付きました。
100円玉より10円玉の方が澄んだ音色に聞こえました。


『10円玉が2枚落ちた』
『今度は100円玉1枚だ』


音色で種類と枚数がおよそわかりました。
人混みをかき分けて音のしたほうに移動します。
すぐに見つけて拾い上げます。ここからが問題です。
本来の落とし主がどなたなのかわかりません。
うっかり「小銭を拾いました」と言ったらどうなりますか。
「俺のだ」と何人も手を上げられたら困ります。
誰も手を上げないかもしれません。それも困ります。


私は近くのそれらしい感じの人に「落としましたよ」と手渡ししました。
「俺じゃない」と断る人はいませんでした。