(元)敬老警備員の詩

警備員俳句や警備員短歌をタイトルにした警備に関する雑詠です。

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鍵閉じ込めし軽トラの解錠のあの手この手

(一昨日からの続き)
おそるおそる資材倉庫のドアに手を掛けました。
開きました。施錠してませんでした。
まずは一安心です。電気をつけ確認です。
赤い三角コーンや横断幕、幟、ポリバケツなどがありました。
ヒモを探しましたがわかりません。
仕方ないので旗竿やブルーシートをくくっているヒモを外しました。
針金もありましたのでそれも外して借用しました。


駐車場に戻ってお客さんにヒモと針金を渡しました。
ヒモの先端を丸くして運転席側の隙間から垂らしてロックを外す作戦です。
これで私のお節介も終了かと横で見ていました。休憩したいです。


でも上手くいかないです。何度もやり直しますができそうもありません。
倉庫に突っ張棒のような細い棒があったのを思い出しました。
「棒を探してきます」
と苦戦しているお客さんに言ってもう一度倉庫に行きました。


直径が1センチ程度の突っ張り棒がありました。
これで運転席側の隙間から入れて助手席のロックを外せそうです。


お客さんと替って私が棒でトライしました。
「惜しい。もう少し。がんばれ」
助手席側のロックに棒が当るのですが、つるりと滑ります。
もう少し強く押さえてやればできそうです。


そのとき「おーい」と声が聞こえました。
振り返りますと駐車場警備のHDさんが歩道から手招きしていました。
仕方なく駆け寄りますと、
「いらんことするな。あの車だって持ち主かどうかわからんぞ」
と言います。
HDさんは場外駐車場班のベテランです。
場外勤務が増えています。その際に指導を受けています。
もう少しでロックが解除できそうです。まだ粘りたいです。
その場しのぎで「わかりました」と返事しました。
しかし言いつけを破って最後の挑戦をしました。
ぐっと力を入れて棒を上げますとロックも一緒に動いて解除できました。


お客さんがほっとして嬉しそうでした。
「うん、うん」と言ってそれ以上の言葉がありません。
私は勝手に行動してまた自分の評価をおとしめました。
しかも30分の休憩時間も無くなりました。
何か言いたそうなお客さんに「これで失礼します」と言って逃げるように倉庫に向いました。
(この話了)