駐車場警備員の詩(うた)

警備に関する雑詠です。たまに普通の記事を書きます。

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払戻金は本当に正しいのか警備員が検証した結果(その3)

普段は場外駐車場班のSYが場内無料席で立哨中に客に手招きされました。
「警備員さんちょっと。払戻金が500円足らない」
SYはこの人はウソを言ってないと直感しました。
彼は霊能者で人の善悪、健康状態それに寿命まで分かると言います。
「そうですか。ちょっと待って下さい」


透明板をノックして中の従業員を呼び出しました。
頭髪の薄い初老の責任者であるMTが透明プレートの前に現れました。
「3連複の支払いで500円が不足しているそうです。機械を調べて下さい」
「そんなはずはありません。お客さんの勘違いです。よく確かめてください」
「このお客さんはウソをいう人ではありません。私にはわかります。機械の間違いだってあると思いますので調べて下さい」
「機械は間違いがありません」と譲歩しない。
困ったSYは自分のポケットの中で500円玉を握り、
「あ、下に落ちてました」
としゃがんで拾う芝居をしました。
お客は首をかしげながらもSYに礼を言って立ち去りました。


MTは念のために機械を調べてみました。
なんていうことでしょう。500円玉が残っていました。
(つづく)

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