現世の利益を説く真言宗
「僕は賭けないし直訴しないってば。南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」と唱えた。
FIは真言宗の在宅信者だ。
真言宗では南無大師遍照金剛という祈りの言葉を唱える。
「南無」は帰依する、つまり心から信じるということ。「大師」は偉大なる師。
そして「遍照金剛」は弘法大師のことで「太陽のごとくすべてを照らす慈悲と、人を幸せにする仏さまの砕けることなき智慧の持ち主」という意味がこめられている。
「南無大師遍照金剛」は、他の人の幸せを願うときの祈りの言葉でもある。
浄土宗での祈りの言葉は有名な「南無阿弥陀仏」だ。
衆生が極楽浄土への往生を願い「南無阿弥陀仏」と称えることで阿弥陀仏が救って下さると解釈する。
浄土宗の開祖法然は南無阿弥陀仏と唱え阿弥陀仏に「どうか、私を救って下さい」と願う事で「阿弥陀仏に極楽浄土へ導かれる」と説いた。
そもそも阿弥陀如来は、釈迦の教えも廃れる末法の世を救う仏様で極楽浄土の主である。
お腹が痛ければ薬師如来様、仏の教えから外れる輩には不動明王様と、仏様にもいろいろな役割がある。
かくいう私も真言宗信者だから。なぜならば・・・。
(続く)