春雨に祝杯ワイン買いにけり
朝から雨の一日だった。
午前中に一件だけ仕事が片付いたものの、年度末までに残り三件。
テニスをする余裕などない。
それでも、ひとまず祝杯用に好きな赤玉ポートワインを買いに、
傘を差してスーパーへ向かった。
一日中パソコンの前に座りっぱなしなので、せめて十五分は歩いておきたい。
高齢になると一万歩は歩きすぎだという。
医学的な根拠は乏しく、五千歩前後がちょうどいいらしい。
そこで思い出すのがイデデさん(仮名、80歳)だ。
二十年以上、毎日一万歩を目標に歩き続けてきた。
膝が痛んでも万歩計を見て「あと少し」と歩き、ついに膝が悲鳴を上げた。
歩行中に足がもつれて転倒し、顔面を強打して歯が折れ、手も打撲した。
一か月の安静を経て、今では自宅でおとなしく健康番組を見ている。
目標を持つのは良いことだが、達成に固執すると身を壊すこともある。
歳を重ねたら「ほどほど」がちょうどいいのかもしれない。
私も仕事を「そこそこ」にしたいのだが、元請けがなかなか許してくれない。