50代の不況と70代の多忙
久しぶりにテニスの壁打ちに行った。
今年は仕事が立て込み、週4日の練習どころか、まとまった時間を取ることすら難しい。
せめて月に一度だけでも、と自分に言い聞かせて壁の前に立つ。
去年の七月から、これまでにないほどの多忙が続いている。
思い返せば、二十二年前の五十歳前後、日本は不況の渦中にあった。
2000年前後は「不況の谷から少し上がったと思えば、また落ちる」という、まるでジェットコースターのような時代だった。
新聞は金融危機だのITバブル崩壊だのと騒いでいたが、私にとっては「来月の支払いができるかどうか」のほうがよほど切実だった。
数人の従業員と会社を経営していたが、銀行融資も断られ、倒産の瀬戸際に立たされた。
苦渋の決断で従業員には退職してもらい、会社組織だけを残して、私は一人で本業と副業を掛け持ちするようになった。
フリーランスのように働きながら、細く長く会社をつないだ。
そして今、十年に一度、七年に一度、五年に一度、毎年の仕事が、なぜか同時に押し寄せてきた。
一人では到底こなせず、個人や会社の応援をいただきながら、なんとか走り抜けてきた。
ようやく今月までで、いつもの“暇な生活”に戻れそうだ。
来月からは、毎日テニスやジョギングができる生活が始まる。
月に二度の本業と土日には気楽なアルバイトができそうだ。
壁打ちの音が、また日常に戻ってくるのが楽しみだ。