駐車場警備員の詩(うた)

警備に関する雑詠です。たまに普通の記事を書きます。

にほんブログ村 その他日記ブログ 警備員・ガードマン日記へ
にほんブログ村

秋晴れを全うしたる警備かな

土日祝のパート駐車場警備員です。
食品スーパーの新規開店セールではお客様が多数来店されます。
オープニング警備での警備員は、お店の規模により10名から50名で対応します。


訳知りの警備員が、オープニング警備の期間中は警備員の総数で契約すると言いました。
たとえば10日間で200人という契約としますと1日平均20名です。
初日は人出が見込まれますから多目の40名にして、翌日から徐々に人数を減らし最終日でつじつまが合うようにするそうです。


オープンセールの初日と最終日に派遣されることがあります。
土日祝のパート警備員ですから当然だと思います。日が暮れて終了時間になりますと、終了無線が入ります。1日が終わった気分です。達成感はありません。


お客様の誘導で合図が中途半端になって迷惑をおかけしたこと、ちょっと合図が遅れたため事故になりそうになったなど一人で反省をします。


「何も特別でかわったことがない1日が幸せ」という言葉があります。
事故やトラブルがなく1日の警備が終わったのなら、幸せでもありそれが特別な1日なのかもしれません。


秋晴れを全うしたる警備かな


(Photo AC 無料写真素材から)

警備士がカウンターにぎる秋の夕

土日祝のパート駐車場警備員です。
食品スーパーで新店舗がオープンしますと1週間から2週間の開店セールがあります。
駐車場もオープニング警備として大量の警備員が配置されます。


開店セール中は大勢のお客様が来店されます。
隊長から出入口の誘導案内を命じられたら大変です。入出庫車案内と歩行者と自転車の安全確保で気が抜けません。
ついでにカウンターを持たされると入庫した車の数を計数します。
入庫の車があると「いらっしゃいませ」と発声し手にしたカウンターを1回押します。
出庫の車には「ありがとうございました」と挨拶します。


出庫と入庫は連続して続くことがあります。
夕暮れになりますと疲れのせいかカウンターの押し間違えも起こります。

入庫のお客様に「いらっしゃいませ」。カチッ、とカウンターを押します。
出庫のお客様に「ありがとうございました」。カチッ。押してはいけません。
「あっしもた」


警備士がカウンタにぎる秋の夕


警備員心をゆする運動会

幼稚園運動会の臨時駐車場警備に行きました。
隣接した小学校の校庭が臨時駐車場です。50代のベテランS警備員と私の2人配置です。広い校庭内の隅が駐車場になっています。雑草が生えているだけで枠線などはありません。


私が出入り口に立ち、S警備員の無線で指示のある方向に案内します。開始30分前から信号が変わるたびに次々と入場しています。S警備員は駐車位置を的確に指示します。


実は去年は1人現場でした。
40代でベテランのR警備員が派遣されました。彼は戸惑いました。駐車場所を案内しているうちに、後から来た車が勝手に反対方向に駐車しています。
そのうちに駐車場で渋滞が起こり公道に長い隊列ができました。
心配して様子を見に来られた幼稚園の若い女性に入口誘導を依頼しました。
「鉄棒の方に流して下さい」
「次はプールの方に誘導して下さい」


R警備員は園長先生に叱られました。Rは平謝りしました。
今年の運動会でも園長先生は警備会社に依頼しました。
「今年は2人派遣して下さい。でもRさんはだめです」


警備員心をゆする運動会


心を揺らす(ゆらす)ではなく心を揺する(ゆする)です。R警備員の心情を句にしました。強く申し訳なかったと思ったはずです。
今年になって彼もいつの間にか退職していました。当時どう思ったのかもう確認することができません。


揺(ゆ)らすは「揺れるに任せる」で「ゆさぶる」ことです。
揺(ゆ)するは「意志に従わせて揺らす」であり「ゆれ動く」ことです。