駐車場警備員の詩(うた)

警備に関する雑詠です。たまに普通の記事を書きます。

にほんブログ村 その他日記ブログ 警備員・ガードマン日記へ
にほんブログ村

六十の警備士に落つる木の実かな

土日祝のパート駐車場警備員です。
初めて食品スーパーの新規開店オープニング警備に行ったのは新人時代の3年前でした。

会社の中型バス2台に分乗し先輩同僚と1時間かかる現場に行きました。
当時は公営競技場でフルタイムの雑踏警備をしていました。


私たち新人3人は駐車場の内側ではなく外側の公道で路上駐車の警戒を指示されました。
郊外の閑静な住宅街に待望のスーパーができたことですごい人気でした。
駐車できない車が構内道路で行列になっていました。それどころか場内駐車場に入るために公道に隊列ができていました。
我々は歩道に立ち駐車場待ちのドライバーと「多いですね」とのんきにしゃべっていました。


2時間たっても交代要員も来ませんし隊長も駐車場を見渡しても見かけません。
喫煙者のNが「待機はどうなった。小便したいしタバコも吸いたい」と騒ぎ出しました。Nは入隊したばかりで立哨にも慣れていません。


指示はありませんが交互に20分休憩をすることにしました。
まずNからです。乗ってきた中型バスに行きタバコを吸ったようです。戻って来て「バスの後ろのガードレールに小便かけてきた」と笑います。
次にAが休憩になりNと同じところで小便したと大笑いました、最後に私が待機です。お店のトイレに向かいました。待機は順に繰り返してしていました。
立哨しているときに街路樹から木の実が落ちてきました。


駐車場内外が騒然としていましたので隊長も我々のことを忘れていたのだと思います。
NやAに会いますと当時のことを思い出して笑います。


六十の警備士に落つる木の実かな


(Photo AC 無料写真素材からドングリ)

秋晴れを全うしたる警備かな

土日祝のパート駐車場警備員です。
食品スーパーの新規開店セールではお客様が多数来店されます。
オープニング警備での警備員は、お店の規模により10名から50名で対応します。


訳知りの警備員が、オープニング警備の期間中は警備員の総数で契約すると言いました。
たとえば10日間で200人という契約としますと1日平均20名です。
初日は人出が見込まれますから多目の40名にして、翌日から徐々に人数を減らし最終日でつじつまが合うようにするそうです。


オープンセールの初日と最終日に派遣されることがあります。
土日祝のパート警備員ですから当然だと思います。日が暮れて終了時間になりますと、終了無線が入ります。1日が終わった気分です。達成感はありません。


お客様の誘導で合図が中途半端になって迷惑をおかけしたこと、ちょっと合図が遅れたため事故になりそうになったなど一人で反省をします。


「何も特別でかわったことがない1日が幸せ」という言葉があります。
事故やトラブルがなく1日の警備が終わったのなら、幸せでもありそれが特別な1日なのかもしれません。


秋晴れを全うしたる警備かな


(Photo AC 無料写真素材から)

警備士がカウンターにぎる秋の夕

土日祝のパート駐車場警備員です。
食品スーパーで新店舗がオープンしますと1週間から2週間の開店セールがあります。
駐車場もオープニング警備として大量の警備員が配置されます。


開店セール中は大勢のお客様が来店されます。
隊長から出入口の誘導案内を命じられたら大変です。入出庫車案内と歩行者と自転車の安全確保で気が抜けません。
ついでにカウンターを持たされると入庫した車の数を計数します。
入庫の車があると「いらっしゃいませ」と発声し手にしたカウンターを1回押します。
出庫の車には「ありがとうございました」と挨拶します。


出庫と入庫は連続して続くことがあります。
夕暮れになりますと疲れのせいかカウンターの押し間違えも起こります。

入庫のお客様に「いらっしゃいませ」。カチッ、とカウンターを押します。
出庫のお客様に「ありがとうございました」。カチッ。押してはいけません。
「あっしもた」


警備士がカウンタにぎる秋の夕