日本の随筆文学は時流から外れた人の自慢話
警備員ブログから離れています。
勝ち組の人生と自他共に認められた人のエッセイを見ると自慢です。
日本語が乱れているとか、金の亡者になって品格を失っているとか、若者がバカになっている。
このままでは日本は滅びるであろう。
というようなエッセイが多いです。
そういう間違いに気づいている私を見習えと言っているわけで、自慢です。
そしての元祖が『徒然草』です。
ところが老人の自慢話かといえばそうではないのです。
それは世捨て人が書いているからです。
権力のある人が書いたのではないことに価値があります。
兼好さんは権力を目指して生きてきて、むなしくなり立身出世を諦めたのです。
勝ち組の人生を捨てたから、世の中を叱っていい立場になりました。
それが日本の随筆文学の本質だと故井上ひさしさんもいいます。
『方丈記』の鴨長明も同じです。
みんな何をあくせくしているのだと叱っています。
(つづく)