二人いたプログラマは元々現場要員だった。
優秀な高卒だから研究開発部門に転出できた。
丁度私より１０歳年上だった。当然私の師匠となる。

師匠にどうやってプログラマーになったのかいきさつを聞いた。
コンピュータメーカーの有料、無料の講習会に何度も出かけそうだ。
元々二人ではなく三人だったが一人は「俺にはできない」と辞退したそうだ。
私の同僚ＮＫ君も早々と「僕もしない」と諦めた。

当時はコンピュータ図書など一冊もない。
あるのはコンピュータメーカーの英文マニュアルだけであった。
ＩＢＭやＨＰ（ヒュレーットパッカード）の外国製コンピュータである。
富士通のＦＡＣＯＭ－Ｒ（ファコムアール）という日本製のコンピュータも出始めていた。

マニュアルはコピーできないので筆記して会社でも自宅でも英訳していた。
２０代前半は私の人生の中で初めて真面目に勉強した時期だった。
（続く）