駐車場警備員の詩(うた)

警備に関する雑詠です。たまに普通の記事を書きます。

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たまさかの出会ひ嬉しき春の夕(2)

ご婦人は、
「ここのアジサイは私が植えたんですよ。あなたが手入れされていますね?」
と言いました。
花がら摘みやツタの除去などをしていました。


第2駐車場の空地にアジサイが植わっています。
じつは10年ほど前に私がジョギング中に、ご夫婦でアジサイの苗を植えていました。
立ち止まってみていました。最初は2株ほどでしたが段々と増えていきました。今は10株ほどあります。


「偶然ですが、走っている時に、ご夫婦で植えているところを拝見していました」
去年の6月から図書館の警備員を始めたことで暇を見て他の花壇やここのアジサイの世話をしていると申しあげました。


「それは大変お世話になりました。実はコロナで外出自粛と主人が免許返納しました」
それで去年は来れなかったそうです。
「今日は初めて私一人でタクシーできました。足が悪いんです」
「ああ、先ほどタクシーを見かけました。誰だろうと思いました」


昨年6月にこのアジサイと出会った時に誰も手入れをしていないことが分かりました。
ゴミが散乱しツタが縦横無尽に絡んでいました。
これを植え育てた、あのご夫婦は何らかの事情で来ることができなくなったようです。
ならばこれも何かのご縁です。私がお世話をしようと決めていました。


出会いには奇跡的な偶然がありました。
私が警備員になっていなかったら、あの時に掃除を思いつかなければ、ご婦人が違う日時にタクシーを使えば会えませんでした。
(つづく)

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