警備員評価は所により変わりここではわれがきっと最下位
元警察官という先輩警備員のODさんは無線が上手です。
給茶機前でお茶をこぼした際の掃除員要請無線も見事です。
ODさんは小太りで暑がりです。
「無料投票場から警備本部」
「はい、どうぞ」
ODさんからの無線が入りました。
元警察官ということで皆さんから一目も二目もおかれています。
無線機の音声に聞き耳をたてます。
「お客様が暑いとおっしゃっています。どうぞ」
「警備本部了解」
「ありがとうございます。以上無料投票席」
ODさんお周囲には誰もいません。
彼自身が暑いように見えます。
すると温度計を持ったメンテナス担当者が慌ててやってきます。
顔見知りですが名前は知りません。
場内をくまなく歩き回っています。
私は場内の天井灯の玉切れをよく見つけて彼に教えています。
私の持ち場に通りがかったので聞いてみました。
「ここでは何度ですか?」
「27度だね。少し暑いかもしれないね。強くするよ」
「はい、ODさんのためにお願いします」
ここA競艇場の警備員は余計な仕事をしてはいけません。
私は相当な余計な事ばかりしたようで評価は最下位だったようです。
(つづく)