駐車場警備員の詩(うた)

警備に関する雑詠です。たまに普通の記事を書きます。

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競輪やいちかばちかの春一番

競艇場警備員でしたがあちこちに派遣させられました。
競輪場の警備も何度もありました。
そして競輪場で思い出深い出来事がありました。


今から5年前のことです。
年配のお客様が車券売り場で警備中の私に声を掛けてきました。
「兄ちゃんは競輪に詳しいのかな?」
「素人です」と答えました。
すると、
「次の優勝戦は誰が勝つと思うか?」
と聞かれました。


そのレ―スではSS級の2人が出てきます。
競輪では2000人ほどの選手がいますがSS級は9人しかいません。
ということはその超人2人の一騎打ちとなる公算が強いです。


「俺は1から9の2車単に20万賭けるつもりだけどどう思う?」
「確かに1→9の2車単のオッズは2倍で鉄板で固そうですね」
1号車の逃げと9号車の追い込みの一騎打ちが人気でした。
オッズが2倍ということは1号車が1着で9号車が2着になりますと20万円が40万円になります。


最近の成績から1号車が勝つのは固いと思えました。
モニターのオッズ掲示を見ますと9から1のオッズは4倍もありました。
ピンときました。私は余計なお世話をしました。
「9から1に10万円だと40万になります。19と91に10万円ずつで勝負でしょうか。一か八の大勝負なら9から1に20万円です」
「そうか。10万づつ分けるか。もし1から9になっても元通りか。うん分かった」


何を買われたか分かりません。
レースが始まりました。映像を固ずを飲んで見守りました。
残り1周半で鐘がなりますと1号車が猛然とダッシュして先行していきました。
ぐんぐんと後続に差をつけていきます。
すごく速いので「もしかして、だめか」と思いました。
すると最終周回で9号車が果敢にも単騎で追いかけました。
速い、速い。どんどん差が詰まっていきます。
ゴール前になりますとアナウンサーが絶叫しました。
「1番逃げる逃げる、1番逃げきれるかー、9番が追っている。ゴール前どうだ、9番が差したのか? 同着でしょうか。勝ったのはどっちだー!?」


スーパースローの映像で確認しました。
タイヤ半分の差で9号車が勝ちました。
あのお客様は私に笑顔を向けていました。
それも破顔です。大笑いになりました。
9から1の2車単で80万円を取ったと確信しました。
(競輪警備の巻了)

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